共鳴り
「明日、ちゃんとレイコさんに謝るんやで?」


「わーかってますよー。」


コイツはホンマ、大丈夫なんやろうか。


煙草を咥えると、清人はやっぱり窓の外へと視線を投げる。



「そういやお前、高いとこ好きやもんなぁ、昔から。」


言ってやると、彼は小さく笑うだけ。



「飛び降りたりしたら、レイコさんにキレられるからやめとけよ?」


冗談にもならんけど、でも、一応言ってみた。


清人は「そこまで馬鹿じゃねぇよ。」と言いながら、同じように煙草を咥える。



「レイコさんと言えばさ。
嶋さんとどういう関係なんだろうなぁ?」


「拾われただけ、って言うてたけど。」


「でも多分、今も嶋さんのことだよ。」


「そうやろうねぇ。」


清人もふたりの関係には何かあると思ってるらしいが、その間柄が何なのかは、やっぱりわからないまま。


嶋さんとレイコさんは怪しいけど、だったら自分の女と俺らをヤらせるはずもないやろうし。


良くも悪くも、人の気持ちなんて目に見えないってことやろう。



「レナちゃんのことはどうするん?」


「どうもこうも出来ねぇよ。
アイツ、俺らの仕事知っちゃったみたいだし、完璧終わり、ってな。」


そっか、としか言えなかった。


もう明け方も近いはずなのに、光はいつまで経っても見えないままや。

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