共鳴り
真っ黒い窓ガラスに自分の姿が映し出され、獣のようやと思った。


押さえつけて、貪って、無理やりみたいに奪って。


嫌だと言ってくれない理乃は、受け入れてるってことなんやろうか。




痛くしてやなきゃ。

怖がらせなきゃ。

嫌われなきゃ。



けど――

嫌わんといて、俺のこと。




頭の中は決まって相反する思いばかりが沸き上がり、苦しくなる一方や。


綺麗すぎて、切なすぎて、触れる度に手が震える。




愛してると言いたかった。

傍に居てやると言いたかった。

もう泣かせないと言いたかった。




でも、


無理なのに。
無理やから。






「お前の存在、邪魔やねん。」







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