共鳴り
聞き返すと、彼女は少し辛そうな顔で口元を緩めた。
それ以上聞くな、っていつもの顔やけど、今日だけは、聞かれるのを怖がるような瞳に見えた。
「そういう悲しそうな顔、したらあかんよ。」
「…それは、あたしのことかしら?」
「俺な、レイコさん。
そういう顔してるヤツ、男でも女でも見てると辛いねん。」
心底驚いたように丸くなった瞳。
きっと、いつも自分がどんな顔してるのか、知らんのやろう。
「キヨもりぃもレナちゃんも、レイコさんもや。
みんなそういう目してて、苦しんでるんやろうなぁ、って思うねん。」
「…あたしが、苦しんでる?」
「だから嶋さんのとこに行くんちゃうん?」
やっぱり驚いたような瞳やった。
腕が振り払われて、でもそれは、肯定と捉えるに値する。
「ふたりの関係、言いたくないんやったら聞かへんよ?
でもな、もう時間が止まったままなのは、どうにかせなあかんやん。」
このままじゃ、どんどんこじれていく。
そして、誰しもが今よりもっと、苦しむことになんねん。
みんながみんな、イバラの棘を持ち、互いに触れる度に相手を傷つける結果にしかならないのは、もう止めたいねん。
「俺はレイコさんかて同じように救ってあげたいよ?」
おこがましい言い方なのかもしれない。
けど、彼女は顔を歪めるように、必死で涙を堪えているようにも見えたんや。
薄暗い部屋で、必死で頼りない月明かりを探してた。
花穂ちゃんの笑顔も昔の理乃の笑顔も、俺らは太陽みたいな存在を、失ってしまったから。
みんなみんな、真っ暗闇の中におるみたいや。
それ以上聞くな、っていつもの顔やけど、今日だけは、聞かれるのを怖がるような瞳に見えた。
「そういう悲しそうな顔、したらあかんよ。」
「…それは、あたしのことかしら?」
「俺な、レイコさん。
そういう顔してるヤツ、男でも女でも見てると辛いねん。」
心底驚いたように丸くなった瞳。
きっと、いつも自分がどんな顔してるのか、知らんのやろう。
「キヨもりぃもレナちゃんも、レイコさんもや。
みんなそういう目してて、苦しんでるんやろうなぁ、って思うねん。」
「…あたしが、苦しんでる?」
「だから嶋さんのとこに行くんちゃうん?」
やっぱり驚いたような瞳やった。
腕が振り払われて、でもそれは、肯定と捉えるに値する。
「ふたりの関係、言いたくないんやったら聞かへんよ?
でもな、もう時間が止まったままなのは、どうにかせなあかんやん。」
このままじゃ、どんどんこじれていく。
そして、誰しもが今よりもっと、苦しむことになんねん。
みんながみんな、イバラの棘を持ち、互いに触れる度に相手を傷つける結果にしかならないのは、もう止めたいねん。
「俺はレイコさんかて同じように救ってあげたいよ?」
おこがましい言い方なのかもしれない。
けど、彼女は顔を歪めるように、必死で涙を堪えているようにも見えたんや。
薄暗い部屋で、必死で頼りない月明かりを探してた。
花穂ちゃんの笑顔も昔の理乃の笑顔も、俺らは太陽みたいな存在を、失ってしまったから。
みんなみんな、真っ暗闇の中におるみたいや。