共鳴り
「お前、彼女おったんか?!」


「俺が彼女いるように見える?」


「…見えんから言うてんねん。」


「居ねぇよ、そんなもん。
つか俺、女と付き合ったことねぇし。」


嘘やん。


お前じゃあ、誰とヤッたん?!


これ、俺の中で永遠の謎になるんやけど。


だから俺は今でも、清人の初エッチの時期も、その相手も知らない。


ちなみに、中二らしいけど。



「…まさか、花穂ちん…?」


「は?
花穂となんてヤるわけねぇだろ?」


俺は眩暈さえ覚えた。


清人はとにかく何でも、俺より上やねん。


煙草も単車も女も、全部俺より先やし、何事においても要領が良い。


面倒くさいが口癖みたいなくせに、器用やから腹立つねん。


お前、いつの間にかこっそりヤることヤッてたんかい、って。


まぁそんなわけで、俺はそれから当分、清人を無視してた。


ある意味裏切りやんな?


お前硬派ちゃうんかい、って。


あの時は笑えるくらい悲しみに打ちひしがれてた俺やけど、清人、めっちゃ手早いねんで?


もちろんそれは、もっと後から知ったことやけど。

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