共鳴り
「…陸、家帰ってねぇの?」
問われ、俺は曖昧に笑った。
「理乃は多分泣いてるよ。」
「分かってるよ。
でも俺、こんな半端な状態でアイツには会えへん。」
「…レイコさんのこと?」
「それもやし。
俺の気持ちん中で全部片付かな、会ったらあかん気がしてんねん。」
理乃に会いたいと思う気持ちは変わらないし、今も頭の中はアイツのことばかりや。
けど、それでも、そんな言い訳ばかりを繰り返してるのかもしれない。
ただ俺には、勇気がないだけやろうけど。
「つーか、俺のことはえぇねん。
キヨちゃんは自分の体治すんだけ気にしときぃ。」
「…ごめん。」
らしくない、しおらしい姿。
やっぱり子供みたいで、俺は笑いながらその頭をくしゃくしゃっとしてやった。
それでも、あれ以来、雨を見ることがなくなったのは事実。
「レナちゃん、呼んできたるわ。」
そう言って、俺はきびすを返した。
ドアを開けるとそこには、長椅子に腰を降ろして携帯をいじる彼女の姿。
本当に、気を使ってくれてるらしい。
「ごめんな、レナちゃん。」
良いよ、と彼女は言った。
そして俺に買い物袋を差し出し、あげるよ、と言ってくれる。
優しい子で、清人と似過ぎてるんやろう。
問われ、俺は曖昧に笑った。
「理乃は多分泣いてるよ。」
「分かってるよ。
でも俺、こんな半端な状態でアイツには会えへん。」
「…レイコさんのこと?」
「それもやし。
俺の気持ちん中で全部片付かな、会ったらあかん気がしてんねん。」
理乃に会いたいと思う気持ちは変わらないし、今も頭の中はアイツのことばかりや。
けど、それでも、そんな言い訳ばかりを繰り返してるのかもしれない。
ただ俺には、勇気がないだけやろうけど。
「つーか、俺のことはえぇねん。
キヨちゃんは自分の体治すんだけ気にしときぃ。」
「…ごめん。」
らしくない、しおらしい姿。
やっぱり子供みたいで、俺は笑いながらその頭をくしゃくしゃっとしてやった。
それでも、あれ以来、雨を見ることがなくなったのは事実。
「レナちゃん、呼んできたるわ。」
そう言って、俺はきびすを返した。
ドアを開けるとそこには、長椅子に腰を降ろして携帯をいじる彼女の姿。
本当に、気を使ってくれてるらしい。
「ごめんな、レナちゃん。」
良いよ、と彼女は言った。
そして俺に買い物袋を差し出し、あげるよ、と言ってくれる。
優しい子で、清人と似過ぎてるんやろう。