共鳴り
外の世界はいつの間にか、真っ黒い色で覆われていた。


俺らはベッドに転がったまま、他愛もないことを話したり、キスをしたり。


もしかしたら、今まで刻まれた溝を埋めたかったのかもしれない。


理乃を抱き締め、そっと触れて、笑い合う。


現実であることを噛み締めるように、そして何もかもの荷が降りたように。



「りぃ、俺めっちゃ腹減ったー。」


「…動きたくない。」


「でも俺、りぃの飯食いたいねんけどー。」


「…だってりぃ、りっくんと離れたくないもん。」


ぶーって顔になった彼女に笑った。



「しゃーないなぁ。
なら、一緒に何か作ろうか?」


瞬間、その顔はぱあっと明るくなる。


一体いつ振りに見た、理乃の心からの笑顔やったろう。


あの頃と何も変わることなくきらきらしてて、お陽さまみたいやと思う。


眩しくて、でももう、目を逸らすことはない。



「ねぇ。」


服を着ようとすると、理乃はそんな俺を見上げた。



「りっくんの金髪、綺麗だよね。」


「…そう?」


「そうだよ。
きらきらしてて、ずっと昔からりぃにとっては太陽みたいだったよ。」


少しばかり驚いて、でもまた笑った。


例えばそれは、どんなに高級な宝石でも勝てないほど、俺にとっては嬉しい言葉やったろう。


失って、失って、失った先に、やっと掴んだ宝物。


きらきらがいっぱいやった。

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