共鳴り
キヨちゃん。
ピヨくん、ピヨっち。


他にも色々あったわ。


最終的には清人のことピヨピヨって言ってて、さすがにアイツ、それにはキレてたけど。



花穂ちゃんは、清人が好きやった。


それは見ててすぐにわかった。


けど、清人はそうじゃなくて、花穂ちゃんのこと、アユと同じように妹的な目で見てたんや。


それも見てて分かってたから、ちょっと可哀想ではあったなぁ。



「花穂ちゃん、キヨのどこがそんなに良いん?」


ふたりっきりのとき、ふとそんなことを聞いたことがあった。


確かに清人の良いとこって俺も花穂ちゃんもたくさん知ってるけど、でも、全然女として見てくれへんわけやん?


おまけにアイツ、影で他の女とセックスしてるわけやし。


多分それだって花穂ちゃんは知ってたんやろうけど、見ててちょっとだけ不憫やったわ。



「キヨちゃん以上の男って居なくない?
スーパーマンでも勝てないよ、きっと。」


いや、スーパーマンには負けると思うけど。


けど、それを聞いて、俺も肩をすくめた。


ホンマその通りやと思ったし、結局のところ俺らは、清人に対してやっぱり憧れめいたものを感じてたんやろう。


やから清人は余計に俺らに弱さとか見せんかったんやろうけど、まぁ、悪循環ではあるわな。



「好きになってもらおうなんて思ってないよ。
けど、キヨちゃんにとって一番身近な女がずっとあたしだったら良いな、って。」


花穂ちゃんが死んでなかったら、今頃どうなってたやろう。


それ考えると、ちょっと寂しくなるわ。

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