共鳴り
街は今日も変わらず人で溢れていた。
多分俺は、大好きやった姉ちゃんが嫁に行った、みたいな感覚なんやろう。
腕時計で時間を確認し、ふうっと息を吐く。
肌寒さを覚え、少しばかり早足でコインパーキングまで向かった。
その刹那、パーンと抜けるような音のクラクションが後ろから響き、眉を寄せて顔を向ける。
「りっくーん!」
正直、最悪やと思った。
ぶっちゃけこの人混みで恐ろしい黒塗りの車の人に名前呼ばれたくないし、他人の振りがしたいのに。
なのに彼は、車を降りてこちらに向かってくる。
「…国光さん。」
「すんごい偶然だね!」
どこがやねん、って感じやけど。
思いっきり道の真ん中に車を放置して、我が物顔を貫く人。
呆れたようにため息を吐き出すと、彼はいつもの如く俺の肩に腕をまわす。
「なぁ、ドライブしよう!」
「嫌やし。
つーか俺の車、すぐそこやねんけどー。」
「じゃあ、そこまで歩こう!」
相変わらず、楽しそうでいらっしゃる。
いつも俺はこのペースに乱され、怒ることを忘れてしまうんやけど。
へらへらで、そしてくちゃくちゃとガムを噛むのもまた、何の変化もない。
「で、言いたいことあるんやろ?」
多分俺は、大好きやった姉ちゃんが嫁に行った、みたいな感覚なんやろう。
腕時計で時間を確認し、ふうっと息を吐く。
肌寒さを覚え、少しばかり早足でコインパーキングまで向かった。
その刹那、パーンと抜けるような音のクラクションが後ろから響き、眉を寄せて顔を向ける。
「りっくーん!」
正直、最悪やと思った。
ぶっちゃけこの人混みで恐ろしい黒塗りの車の人に名前呼ばれたくないし、他人の振りがしたいのに。
なのに彼は、車を降りてこちらに向かってくる。
「…国光さん。」
「すんごい偶然だね!」
どこがやねん、って感じやけど。
思いっきり道の真ん中に車を放置して、我が物顔を貫く人。
呆れたようにため息を吐き出すと、彼はいつもの如く俺の肩に腕をまわす。
「なぁ、ドライブしよう!」
「嫌やし。
つーか俺の車、すぐそこやねんけどー。」
「じゃあ、そこまで歩こう!」
相変わらず、楽しそうでいらっしゃる。
いつも俺はこのペースに乱され、怒ることを忘れてしまうんやけど。
へらへらで、そしてくちゃくちゃとガムを噛むのもまた、何の変化もない。
「で、言いたいことあるんやろ?」