共鳴り
そんな中で、花穂ちゃんは高校を卒業した。


俺も清人も夏に車の免許取っててな、もう単車じゃないねん。


花穂ちゃんにしてもこれからは大学生ってことで、ホンマにそれぞれが変わったんやと思う。


卒業祝いは清人とふたりで盛大にしてやったわ。


あれが俺にとっても、多分清人にとっても、3人での最後の思い出やったろう。


珍しくみんなで単車乗って、やっぱり中学に忍び込むねん。


けど、変わってないようで、もう全然違ってた。


花穂ちゃんはすっかり子供っぽさが抜けてたし、俺にしても清人にしても、多分周りよりずっと、大人やったろう。


それが必死で背伸びしてきた結果やけど、悲しくもあった。


また来よう、なんて誰も言わなかった。


多分それぞれがわかってたんやろう、もうそろそろ離れる時や、って。


清人はその頃、珍しく長く続いてた彼女がおった。


本気かどうかなんて知らんかったけど、俺も普通に好きな子おってん。


多分花穂ちゃんも、彼氏おったと思う。


もちろんそれだけやなくて、花穂ちゃんは大学生になるわけやし、高校の頃とは全然違う生活になるやんか。


それこそ俺ら、いつまでもわけのわからん仲良し3人組ではおられんかってん。


幸せになるために離れるんは、悲しいことちゃうねん。


祝福せなあかんって、多分それぞれがわかっててん。





バイバイでは、決してない。

けど、また明日、でもないねん。



寂しいなぁ。






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