共鳴り
多分10日間くらいやと思うけど、朝も昼も夜もなく、そんなことを繰り返してた。


携帯は取り上げられてるから、清人はおろか、外部との連絡も取れない。


1,2時間置きに隣の部屋のドアの開け閉めの音を聞きながら、ほとんどずっと、レイコさんと一緒におった。


あの人は、一日一度は家に帰って戻ってくるような感じやったけど、レイコさんがおらん間は組の人間に監視されてたり、国光さんが来たり。


一度だけ、嶋さんも来た。


彼女は相変わらず勝手ね、勝手ね、って言ってて、でもふたりの雰囲気は、連れ添いのそれのようやった。



「嶋さんとレイコさんってどういう関係なん?」


やから俺は聞いてみた。


けど、彼女は事もなさげに言うだけやねん。



「大した関係でもないわよ。
あたしは嶋さんに拾われて、そして望んでここに居るの。」


「…望んで、風俗に?」


「そうよ。
まぁ、面倒事押し付けられるばかりだし、あたしももしかしたらあの人に飼われてるのかもねぇ。」


嶋さんの女ちゃうんか、って思った。


けどレイコさんは、笑いながらないない、とそれを否定していた。



「あたしね、バイ・セクシャルなの。
どっちかって言うと、男より女とする方が好きなのよ。」


さすがにめちゃめちゃ驚いた。


でも、それで男は、男は、って言うんかなぁ、って。



「なら、余計に男に奉仕する仕事なんかするの嫌ちゃうん?」

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