共鳴り
「…キヨ、お前っ…!」


何十年ぶりにも似た再会を果たした時の親友の顔は、別人みたいやった。


何をされたんや、何をされたんや。


表情はなく、恐ろしく冷たい瞳は俺を捕えることはない。


そして半袖のシャツの腕から覗くのは、まだ入れたばかりであろう、刺青。


外枠の線を引いただけの筋彫りやったけど、皮膚は赤くぷっくりとしていた。



「何でこんなんやってんねん!
こんなことまで命令されたんか?!」


俺は捲くし立てた。


けど、彼はそれに答えることはなく、うるせぇなぁ、と嶋さんが横から口を挟む。



「コイツが自分で入れてぇっつったんだよ。」


嘘、やんな?


死神が持つカマのような形のトライバル。


俺はゾッとした。



「それと、コイツはジルだ。」


「…ジル?」


「ジルコニアの“ジル”だよ。
人間の出来損ないみてぇに死んだような目で生きてる。」


だから――ジルコニア。


つまりは“偽物”ってことや。


聞いた瞬間、俺は唇を噛み締めた。



「何言うてんねん!
お前に清人の何がわかんねん!」


言い終わった次の瞬間には、体が浮いてた。


俺、また殴られたんや。


やっぱり清人は俺の方を見ようとはしなかった。

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