共鳴り
清人も俺の後、レイコさんと“お勉強”したんやて。


俺らは奈緒子さんが言うてた通り、ホンマのキョーダイになってん。


けど、別に気にすることじゃなかった。


そんなのは、その後何度もあることになるんやから。


俺が落とした女を、今度は清人が繋ぐねん。


利用されてたんか、それとも利用してたんか、俺らはそれぞれの理由で金を稼ぐために身を粉にしたんや。


清人は虎視眈々と嶋さん狙いながら、それでもマサとアユをいつか自分が養ってやりたい、って思いもあったんやろう。


何よりあの人に隙なんかなかったし、結局何も出来んかったけど、俺らは確実に大金を手にするようになった。


清人かて抵抗はあったんかもしれん。


けど、自分の中の一番大切なモン守るために必死やってん。


アイツがトライバルを刻んだ本当の理由は、今でも知らんよ。


でも、アイツなりの決意と思いを込めたことは、俺にもわかった。




大人は勝手やね。

でも、俺も一緒やってん。



いつの間にか汚い大人の仲間入りや。




オカンは泣いてるように見えた。

最期に見た花穂ちゃんも、泣いてた。

理乃は今、泣くばっかや。



俺が騙してる女の子も、
泣くねんな。




悲しいな。
辛いやんな。


俺の人生って何なんかな?


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