共鳴り
「ところで銀二、レイコさんと随分仲が良いって話聞いたけど、それって本当か?」


嶋さんが来たところで、国光さんは思い出したように聞いてきた。



「まぁ、友達みたいなもんですかねぇ。
あの人面白いことばっか言うやないですか?」


そう、笑って返すと、彼らはさすがに驚いたような顔をしていた。


国光さんはポカンとしたまま、「あのレイコさんだぞ?」と言う。



「クールビューティーと銀二が友達、って。
あの人が心開くなんてありえないでしょ。」


「…クールビューティー?」


嶋さんが眉を寄せる。



「レイコはただの、馬鹿で可哀想な女だ。
女神のように思ってるヤツもいるみてぇだが、俺からしたらそんなの虚像だよ。」


嶋さんがこういうことを言うからこそ、余計にその仲を疑ってしまう。


横では国光さんが「嶋さん格好良いですねー。」なんてとぼけたこと言ってるけど、俺は言葉を飲み込んだ。


レイコさんは昔、嶋さんに拾われたのだと言っていた。


けど、変な関係でもなければ、俺と彼女がどうなってようが、嶋さんは興味もなさげやし。



「アイツはいつまで“名字のない永遠の25”でいるつもりなんだろうなぁ。」


嶋さんの呟きが、虚しく消える。


その理由を聞きたかったけど、でも聞けなかった。



「嶋さんと国光さんかて随分仲良しですやん。」


言うと、やっぱりすっとぼけの国光さんは、「そうだろう?」とニヤリ顔。


嶋さんは呆れながら、コイツが勝手にくっついてくるんだよ、なんて言ってるけど。



「国光は宇宙で一番のろくでなしだ。」


嶋さんは、レイコさんと同じ単語を使っていた。


俺の知らん、何かがある。

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