共鳴り
気持ちと距離と
気付けば俺も、レイコさんと同じくらいに嫌いなものだらけになっていた。
理乃は夜な夜な家を抜け出すようになり、多分ろくでもない遊びに手を染めているんやと思う。
俺の飯は必ず作り置いてはいるが、それでも余計に心までも離れた気がした。
何度も何度も受け入れることを拒んだ俺が言える台詞じゃないけど、悲しくもなる。
その度に喧嘩になり、理乃が泣くねん。
理乃が高校2年になった夏、真夜中の繁華街。
通りを歩くほとんどが胡散臭いヤツで溢れるが、それでも人々は、俺らを意識的に避けて歩いていた。
そんな中、ふと目に留まったのは、言い争っている風の男女。
いや、数人の男に囲まれた女が必死で抵抗している、と言った方が正確かもしれない。
目を凝らした瞬間、嘘だと思いたかった。
「…理乃?」
それが理乃で、そして見たこともないような派手な格好だったから。
その瞬間、俺は考えるより早くに足を踏み出し、彼女に絡む男のひとりを引き剥がし、拳を落とした。
「お前ら、誰の妹に手出してるかわかってんのか!」
ドサッと男は道端に倒れ込み、他の男達も驚いた顔で俺を見る。
多分すごい形相やったんやろう、理乃までも、目を見開いていた。
全員喰らわしてやらな気が済まんと思った刹那、肩を凄い力で掴まれ、「やめろ!」と声が落ちる。
振り返ると、俺と同じくらい怖い顔した清人が居て、驚いたように拳を止めた。
理乃は夜な夜な家を抜け出すようになり、多分ろくでもない遊びに手を染めているんやと思う。
俺の飯は必ず作り置いてはいるが、それでも余計に心までも離れた気がした。
何度も何度も受け入れることを拒んだ俺が言える台詞じゃないけど、悲しくもなる。
その度に喧嘩になり、理乃が泣くねん。
理乃が高校2年になった夏、真夜中の繁華街。
通りを歩くほとんどが胡散臭いヤツで溢れるが、それでも人々は、俺らを意識的に避けて歩いていた。
そんな中、ふと目に留まったのは、言い争っている風の男女。
いや、数人の男に囲まれた女が必死で抵抗している、と言った方が正確かもしれない。
目を凝らした瞬間、嘘だと思いたかった。
「…理乃?」
それが理乃で、そして見たこともないような派手な格好だったから。
その瞬間、俺は考えるより早くに足を踏み出し、彼女に絡む男のひとりを引き剥がし、拳を落とした。
「お前ら、誰の妹に手出してるかわかってんのか!」
ドサッと男は道端に倒れ込み、他の男達も驚いた顔で俺を見る。
多分すごい形相やったんやろう、理乃までも、目を見開いていた。
全員喰らわしてやらな気が済まんと思った刹那、肩を凄い力で掴まれ、「やめろ!」と声が落ちる。
振り返ると、俺と同じくらい怖い顔した清人が居て、驚いたように拳を止めた。