夢と現実~恋人はホスト~



「いない…ですね。」

「ね。」

無理無理。見つからないように遠くで見てるんだってば。きっと。

私が溜め息をついたら

「疲れたね。休憩しようか。」

と言って、近くのカフェに入った。

テラス席に座らされて、「何がいい?」と聞いてくれる田端さん。

「あ、アイスティーのストレート、お願いします。」

「了解。」


田端さんは少しして、店内からアイスティー2つを持って、笑顔で戻ってきた。

「今日は天気も良いから、どこも混んでるね。」

「そうなんですか?いつもこんな感じかと思っていました。」

「いや、今日は多いよ。」


私は「いただきます」と言ってアイスティーのストローに口を付けた。

冷たくて美味しい。


「ね、ミカちゃん。日本戻ったら、会えない?」

うわ、来た。サユリの言ってた事って、ホントなの?

「え、日本に戻られるんですか?」

ちょっと論点ずらして返してみる。

だって、まだ確信ないもん。

「来月、戻ることになってるんだ。また食事誘ってもいいかな?」



< 12 / 44 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop