夢と現実~恋人はホスト~
「いない…ですね。」
「ね。」
無理無理。見つからないように遠くで見てるんだってば。きっと。
私が溜め息をついたら
「疲れたね。休憩しようか。」
と言って、近くのカフェに入った。
テラス席に座らされて、「何がいい?」と聞いてくれる田端さん。
「あ、アイスティーのストレート、お願いします。」
「了解。」
田端さんは少しして、店内からアイスティー2つを持って、笑顔で戻ってきた。
「今日は天気も良いから、どこも混んでるね。」
「そうなんですか?いつもこんな感じかと思っていました。」
「いや、今日は多いよ。」
私は「いただきます」と言ってアイスティーのストローに口を付けた。
冷たくて美味しい。
「ね、ミカちゃん。日本戻ったら、会えない?」
うわ、来た。サユリの言ってた事って、ホントなの?
「え、日本に戻られるんですか?」
ちょっと論点ずらして返してみる。
だって、まだ確信ないもん。
「来月、戻ることになってるんだ。また食事誘ってもいいかな?」