夢と現実~恋人はホスト~
夕方、私の勤める中学校まで迎えに来てくれたのりくん。
職員通用門から少し離れた所に停められた黒い車。
私を見つけると、運転席から出てきて
「お疲れ様。」
って微笑んで、助手席のドアを開けてくれる。
何もかもがスマートで、のりくんに似合っていて、お姫様気分にさせてくれるんだよね。
こんなの、生徒に見せられないよ。
次の日何言われるか、分かったモンじゃない。
向かった先は山の中腹にある、一軒家のレストラン。
なんか雑誌で見たことあるよ。
眺めが綺麗で、料理も美味しいと評判の地中海料理やさん。
店内にエスコートされて入ると
「ご予約の田端様でらっしゃいますね。」
とウェイターさんがお辞儀する。
「お席へご案内します。こちらへ…。」
こんなお店を用意してもらった誕生日なんて初めてよ…!