夢と現実~恋人はホスト~
「俺、もう身寄りもいないんだ。」
「え…?」
初めて聞く、のりくんの家族のこと。
「お袋は俺が高校の時に病気で亡くなって、親父も俺がカナダに行ってすぐ、脳梗塞でポックリ逝ってしまった。兄弟もいないし、親しくしている親戚もいない。」
びっくりした。
それに、何だか悲しくなった。
だってのりくんが笑顔だったから。
「だから早く家族が欲しい…って思っていたんだ。美香、俺と一緒にいてくれないか?」
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私はまだ若かったから。
恋に憧れもあったから。
のりくんが素敵過ぎたから。
「うん」
って何も考えずに、返事してたんだよね。