夢と現実~恋人はホスト~



「俺、もう身寄りもいないんだ。」

「え…?」



初めて聞く、のりくんの家族のこと。


「お袋は俺が高校の時に病気で亡くなって、親父も俺がカナダに行ってすぐ、脳梗塞でポックリ逝ってしまった。兄弟もいないし、親しくしている親戚もいない。」


びっくりした。

それに、何だか悲しくなった。

だってのりくんが笑顔だったから。



「だから早く家族が欲しい…って思っていたんだ。美香、俺と一緒にいてくれないか?」






◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆





私はまだ若かったから。



恋に憧れもあったから。



のりくんが素敵過ぎたから。



「うん」



って何も考えずに、返事してたんだよね。






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