夢と現実~恋人はホスト~
結局、その日は許可はもらえず、『帰りなさい』の一言で退却することになったんだけど。。。
めちゃくちゃ、嬉しかった。
私の為に、私と一緒に暮らす為に、お父さんに頭を下げてくれたのりくんの姿。
お母さんなんて『あんな息子欲しいわぁ』なんて言ってたくらいなのに。
「ごめんね、お父さん、堅物で…。」
「気にするなよ、美香。覚悟はしていたし。」
夜。寝る前の電話。
電話だとのりくんの声が、より低く聞こえて色っぽい。
「明日、来てくれるよな?」
「うん。ご馳走作るね。」
「仕事、早く終わらせて帰るから。待ってて。」
「うん。待ってる。」
お父さんが、どう反対しようと私たちは大人だもん。
合鍵もあるし、ご飯を作りに行く事も自由に出来る。
私にはのりくんとの未来しか見えないよ。
「のりくん、ありがとうね。」
「ん?」
「好き。」
ちょっと照れ笑い。
「ん。俺も好きだよ。」
「じゃ…」
「ん。おやすみ。」
「おやすみなさい。」