夢と現実~恋人はホスト~
料理は実は得意。
学生時代の一人暮らしで自炊してたし、実家に戻った今でも台所には立ってる。
だからいつでもお嫁に行けちゃう私♪
なんて。
クリスマスだからか、昨日のお父さんに対するのりくんの姿を見たからか、浮かれちゃう。
テーブルにお皿を並べ終えたころ、玄関の鍵の開く音がした。
「おかえりなさい!のりくん。」
「美香、ただいま。…なんか、良い匂いがする。」
コートを脱ぎながらリビングに入ってきたのりくんがテーブルを見渡す。
「これ、美香が作ったの…?」
「あ、うん。チキンとケーキ以外はね。」
「旨そう!」
タイミング良く、クリームシチューパイが焼き上がった事を知らせるアラームが鳴った。
「じゃ、乾杯しよう。」