夢と現実~恋人はホスト~
それからのりくんは、ほぼ毎日スーツ姿で履歴書を持って出かけてた。
『私が支える!』って言いながらも、私はすぐに見つかると思ってた。
実際、贅沢を言わなければ見つかっていたんだと思う。
でも結局、知り合いの飲食店オーナーのお世話になることになった。
市内で一番の繁華街にイタリアンレストラン、居酒屋、カラオケ、キャバクラ、ホストクラブ等を十数店舗経営する会社の社長さん。
私は会社概要を見せてもらって、『え!あのレストランはキャバクラと姉妹店!?』なんて驚いた。
「で、どんな仕事するの?」
お風呂からあがったのりくんに聞いてみた。
「将来的には経営に参加させてもらうんだけど、とりあえず全部の店を経験しろってさ。」
「ふうん…。」
「早速明日から出勤だから。…夜勤になるから。」
「え?どういうこと?」
「…手始めにホスト。初めは家出るの晩の7時で…帰りは朝6時らしいから。」
「ホ…ホストォ?…のりくんが?」