夢と現実~恋人はホスト~


「濱田先生、元気無いですね。」


「えっ…?…あ、楠木先生。おはようございます。…元気ですよ~」


廊下で後ろから声を掛けて来たのは、私の隣のクラス担任で体育の楠木先生。

5年先輩って聞いたから…のりくんと同じ歳。


「そうですか?珍しく猫背になっていたから。」

「スイマセン。夏バテかも知れないです…」

背中をシャキっと伸ばして照れ笑いしてみる。





さすが。

たくさんの子どもたちを観察している目は侮れない。

同僚の調子もみているなんて。




「たまには気分転換でプールの補習、手伝ってみたりしません?」

「あ!気持ち良さそうですね~!…でも良いんですか?」

「大丈夫ですよ。他の教科の先生方も時々参加されていますし。
 プールサイドでの指導程度ですから…残念ですが水着にはなって頂けませんが。」

「ふふっ。水着じゃないほうが有難いですよ。」

「じゃ、お手すきの時にどーぞ。お待ちしてますから。」

「はい。」



楠木先生は笑いながら職員更衣室に消えていった。

気分転換かぁ…。

良いかも知れない。

夏だし。


午前の英語の補習は2時間だけ。

終わったら早速行ってみよう。



< 42 / 44 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop