夢と現実~恋人はホスト~
「濱田先生、元気無いですね。」
「えっ…?…あ、楠木先生。おはようございます。…元気ですよ~」
廊下で後ろから声を掛けて来たのは、私の隣のクラス担任で体育の楠木先生。
5年先輩って聞いたから…のりくんと同じ歳。
「そうですか?珍しく猫背になっていたから。」
「スイマセン。夏バテかも知れないです…」
背中をシャキっと伸ばして照れ笑いしてみる。
さすが。
たくさんの子どもたちを観察している目は侮れない。
同僚の調子もみているなんて。
「たまには気分転換でプールの補習、手伝ってみたりしません?」
「あ!気持ち良さそうですね~!…でも良いんですか?」
「大丈夫ですよ。他の教科の先生方も時々参加されていますし。
プールサイドでの指導程度ですから…残念ですが水着にはなって頂けませんが。」
「ふふっ。水着じゃないほうが有難いですよ。」
「じゃ、お手すきの時にどーぞ。お待ちしてますから。」
「はい。」
楠木先生は笑いながら職員更衣室に消えていった。
気分転換かぁ…。
良いかも知れない。
夏だし。
午前の英語の補習は2時間だけ。
終わったら早速行ってみよう。