-HIRO-
「ケータ、今日家来て。」

『あ?今日無理。ボード行くし』

「終わってからでいいよ」

『やだ、疲れてるし』

「・・・分かった」


一目惚れして、散々追いかけて、やっと付き合えた彼氏。
ケータがあたしの事なんて好きじゃないって分かってた。

ただ、友達に会うときに時々連れてって、ケータの横に"飾っておく"存在なんだって。

周りに
『綺麗な彼女だね』って言われたいだけなんだって。

だから・・・あたしに"ワガママ"は許されない。

ケータの理想どおりじゃなくちゃいけない。
"綺麗で"
"いつもちゃんとしてて"
"料理も出来て"
"余計なことに口を挟まない"
・・・とにかく、大和撫子が理想なんだと思う。
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