-HIRO-
それでも、ヒロがあたしのことを考えてくれてるのは段々分かるようになってきた。

寂しがりなあたしが1人で居たくないって気付いた時には一緒に居てくれること。

あたしの都合を優先して、お休みの日には自分が友達と合う予定はあたしが居ない時にしかしないこと。

深夜に仕事の後に行ってるバイトが終わって、駐車場まで歩く数分の距離は危なくないようにって、どんな時でも電話で車に乗るまで相手してくれること。


・・・あたしの、ワガママもイライラも八つ当たりも受け入れてくれること。

自分の弱さを少しずつ見せるようになってきたこと。



最後にしたヒロとの喧嘩は
『俺はお前と一緒に居ると楽しいし落ち着くから一緒に居るんだよ。

嫌だったら、こんなに一緒に居ない。

お前も、俺の性格分かるだろ?』

っていうヒロの言葉で終わった。


ヒロと出逢ってから9ヶ月が経つ頃にはあたしも
"彼氏彼女"っていう"形"にとらわれることはなくなっていた。


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