BlueBird~幸せの青い鳥~
ホームに電車が滑り込んでくる。
やっと、あのカップルの視界から離れられる…。
そうちょっとホッとして
電車に乗ろうとした時
後の人がぶつかってきて、私が持ってた書類ケースがホームに落ちた。
ぶつかってきた人は、知らん顔…。
いい大人なんだから、謝る位出来ないのかしら?
イライラしながら人の流れに逆らって、ケースを拾いにホームに降りようとした時
誰かがそれを拾いあげた。
「はい、どうぞ。」
私がびっくりしてると、その人はケースを持ったまま電車に乗ってニッコリ笑いかける。
「あなたのですよね?」
ハッとして我に帰った私は、慌ててうけとってお礼を言う。
「あっありがとうございます。」
「いいえ。
どう致しまして。」
その人は笑顔で答えた。
あたり前の事をしただけとばかりに、サラッと言った。