魔神戦記 the MOVIE 2!
「ま…
バミューダはどうでも良いや。
帰ろうぜ、みんな」
とにかく疲れた。
「水晶の。
また独りで行くのか?」
リ・シュウが透徹に聞いた。
「ああ、やはり私は群れるのが性に合わんのでな。
だが心配せずとも、私の力が必要ならばいつでも駆け付ける。
では、御免!」
透徹は俺達に一礼して水晶の虎の姿に変化すると、リ・シュウのバリアから抜け出して海底を後にした。
「俺達も帰るぞ。
ラシス、日本まで乗ってけ」
俺も魔狼の姿になって、ラシスの横で『伏せ』をした。
「ち、ちょっ!
………ウノサス、良いの?
じゃあ…」
ラシスが足を揃えて可愛らしく背に腰掛けたのを確認し、
「んじゃ、お先!」
「リ・シュウ、蜂姫ちゃん。
後でね」
透徹の後を追うようにして、俺も海面目指して駆け始めた。
後に残された、どちらかと言うと馬の合わない二人。
互いに背中合わせのまま言葉を交わしていた。
「………アンタ。
たまにはレディをエスコートしたりしないワケ?
私に海面まで泳いで行けと?
いいけど?
誰かに見つかっても、人魚と間違われるだけだから」