魔神戦記 the MOVIE 2!
PAST & FUTURE
…ウノサス達が部屋から出て行った後、ラシスは俺と向かい合って座り、
「動かないで」
両手を延ばし、俺の頭を支えるようにしてきた。
「貴方が今まで過ごしてきた時を『観る』わ」
(時を観る?)
その疑念は、ラシスの手から溢れ出る白い光の中に飲み込まれて行く…
…暖かい……
何もかも忘れそうで、何でも思い出せそうな、そんな不思議な気分だ。
いつまでも浸っていたいと思うその感覚が段々と淡くなり、やがて消えた。
「………」
現実に引き戻され、俺は目を開ける。
目の前には…
「ニトア…」
…じゃないんだったな。
「ラシス…だったな。
観たのか?
俺の『時』を」
ラシスは小さく頷いた。
「ええ、観たわ。
貴方のこと、深界のこと、深皇のこと、黒い波動のこと、それに…
ニトアのことも」