魔神戦記 the MOVIE 2!
「ところでウノサス、『あれ』って何なの?」
ラシスが問う。
紅龍の背からでは、何を避けているのかよく見えないようだ。
「何て表現したら良いか…
例えるなら、バカデカいタコかイカの足…か?
エルダ、あれは?」
「カルトルだ…」
この深界の抗体とでも言うべきもの、カルトル。
その姿は無数の軟体触手。
本体は無く、触手だけが何処からともなく伸びて来て、深界への侵入者に襲い掛かる。
「リ・シュウ!
振り切れそうか?」
『正直、厳しいな…
触手は増え続けている。
このままでは、逃げ場が塞がれるのは時間の問題だ』
「エルダ、何とかならんのか?」
俺は迷っていた。
「……………深皇が居るリュエーに向かうしかないのか…
いや、しかし……」
「深皇が居るということは、そこは我々の目的地ではないのか?
何故、最初からそのリュエーという地へ向かおうとしない?」
透徹が俺に詰め寄るが、それには理由があった。
「リュエーには、深皇配下最強クラスの『コウ』が待ち受けている。
今、近付くのは賢明とは言えないからだ」