魔神戦記 the MOVIE 2!
DRAGON & INCANDESCENCE
クトスタの真の姿。
例えるなら、燃える牛男…
そんな表現が妥当だ。
クトスタは口から炎を吐きつつ言った。
「俺の正体を見た者で生存しているのは、偉大なる深皇アグザスのみ。
後にも先にも、だ」
「それも俺で最後だがな」
リ・シュウがチャクラムを振り回す。
チャクラムとは本来、小型の輪状投擲武器。
輪の中に人差し指を入れてフラフープのように回し、遠心力を利用して飛ばす。
リ・シュウの天目宝旗が変化したチャクラムは大型、それこそフラフープ程だ。
指の代わりに手首、足首、そして首を使って舞踊のように華麗に振り回す様子は、中国伝統の京劇を彷彿させる。
対するクトスタが構える武器は鎖の付いた鉄球。
モーニングスターやフレイルと呼ばれる類の形状だ。
それらとの違いは、鉄球も鎖も常時燃え続けているという点だ。
「さぁ、火葬の時間だ!」
「否、鎮火の時間だ」
両者の距離が瞬時に縮まる!
ガッギイィィィィッ!!
流星群のように、火の粉が暗闇の空間に飛び散った!