魔神戦記 the MOVIE 2!
「それはエルダのため?」
「いいえ、ニトアのためよ!」
「!!」
再び聞かされたニトアの名。
ナラクアは思う。
(エルダ…
私はニトアのままで居られたら、どんなに幸せだったか…
あなたと過ごした楽しい時間だけ、私は本当にニトアだった…)
ナラクアの頬を、一筋の涙が伝った。
「ナラクア…
貴女、本当にエルダを愛していたのね」
その気持ちはラシスにも痛いほど伝わっていた。
エルダはナラクアを見た時、ナラクアがニトアだとは少しも気付かなかった。
ニトアは深皇アグザスに殺されたという『記憶』を、エルダは持っているからだ。
しかし実際はニトアの正体はナラクアで、エルダの前からニトアが去ったのも…
「エルダに施された深皇の呪縛が完全になった時、ニトアの存在は不要になったから。
究死配者ナラクアは、二度とエルダの愛したニトアの姿になることは無い!」
それを聞いたラシスの目からも涙が溢れ出た。
「『エルダの愛したニトア』、じゃないでしょ!?
貴女は『エルダを愛したニトア』でしょ!!」