魔神戦記 the MOVIE 2!
IRON FAN & BLACK CRESCENT
「イータ、ね。
一つだけ教えといてあげるわ。
多分、アンタが知らない世界にある言葉を」
「………?」
「どんな盾も貫く矛。
どんな矛も防ぐ盾。
じゃあ、その盾をその矛で突いたらどうなる?
答えは出ないでしょ?
そういうのを矛盾って…」
「検証開始」
「え!?」
ガシュアッ!
イータは蜂姫の説明が終わる前に、自らの腹を自らの鉄扇でかっさばいた!
「な…んなの?
この娘…
いきなり切腹するなんて!」
切り裂かれたイータの腹はバチバチとスパークし、内臓ならぬ内蔵機械やら生体部品やらがうごめいていた。
イータの腹は強固だったのか、鉄扇の刃はボロボロに欠けてしまっている。
「なるほど、どちらもダメージを受けるようだ。
新たな知識を得たことに対して、ひとまず礼を言わせてもらう」
「えぇっ!?」
突然切腹したり、突然謝礼したりするイータという機械人形らしい女に、蜂姫は完全にペースを乱されていた。
(天然なの?
それとも欠陥品?
いずれにしても、この娘は危険過ぎるわ)