魔神戦記 the MOVIE 2!
考えている間にも、蜂姫の体力は消耗する。
その証拠に、イータの鉄扇が何度か蜂姫の身体を掠め始めていた。
妖神の鎧に守られて肉体へのダメージは無いが、このままではいずれ…
「こうなれば…
肉を斬らせて骨を断つ!」
イータが次の攻撃に移る僅かな隙を見計らって、蜂姫が打って出る!
「ふっ!」
ディノウンの鎌『黒い三日月』は大きさの割に軽量で、蜂姫でも楽々と取り扱うことができる。
普通なら打ち合いでは敬遠される大振りなアクションも、躊躇なく素早く繰り出すことができるのだ。
「喰らいなさい!
てりゃあああああっ!!」
ブゥヲオオオン!!
イータのガードごとブッた斬る勢いで、蜂姫の頭上高く掲げられた黒い三日月が轟音と共に振り下ろされる!
「想定内攻撃速度」
鎌の刃先はイータの左の扇を貫き、肩に突き刺さる!
「反撃開始」
「なっ!?」
鎌が抜けない…
それが今度は蜂姫に一瞬の隙を作らせる。
シュドッ
「っ!!?
ぅ…ぁが……あああっ!!」
イータの目にも留まらぬ正拳突きが、鎧の無い蜂姫の腹に撃ち込まれた!