Angel
「あのな、別にこういう事しなくても…」
「ダメなの!顔と身体でつなぎ止めてなくちゃ、あたしには誰もいなくなる」
彼女の目に涙が溜まって、俺は言葉を失った。
「みんなね、最初は寄ってくるの。だけど、中身が期待してたのと違うって言われて、結局フられちゃう」
でもね、と彼女は続けた。
「身体を捧げたら、長い間愛してくれるって気づいたの。あたし、イイ身体してるんだって」
複雑に笑ってそういうと、俺の腕をぎゅっと掴んだ。
「彼氏のフリ、なんて言ったけど実は一目惚れしちゃったの。身体あげたら、好きになってくれるかなって」
あたしバカだからさ、そう言って笑う切なそうな彼女を、俺はどうしても。
放っておけなかった。