Angel

「あのな、別にこういう事しなくても…」
「ダメなの!顔と身体でつなぎ止めてなくちゃ、あたしには誰もいなくなる」

彼女の目に涙が溜まって、俺は言葉を失った。


「みんなね、最初は寄ってくるの。だけど、中身が期待してたのと違うって言われて、結局フられちゃう」

でもね、と彼女は続けた。

「身体を捧げたら、長い間愛してくれるって気づいたの。あたし、イイ身体してるんだって」

複雑に笑ってそういうと、俺の腕をぎゅっと掴んだ。


「彼氏のフリ、なんて言ったけど実は一目惚れしちゃったの。身体あげたら、好きになってくれるかなって」

あたしバカだからさ、そう言って笑う切なそうな彼女を、俺はどうしても。

放っておけなかった。
< 12 / 12 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

公開作品はありません

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop