複雑家族
「15」

「ふーん?両親心配してない?」

「心配はないわ。私、独立したんだし」

「独立?」


龍二はびっくりしているようだった。


「ふーん。俺も独立してえな。」

「え」


すると前の方から二人のスーツ姿の男がやって来た。


「あ!龍二!いたいた」


そう言いながら龍二に駆け寄って来た。



「何やってたんだよ?しばらく店に顔出さないで」

「ちょっとなあ」

「ちょっとなあって。お前がいるといないじゃ店の売り上げが全然違うんだからなあ」


店?売り上げ?


「あれ?この子は?」


一人の男が美香に視線をむけた。そして、[紫呉]というお店に入っていった


「あっあのう」

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