複雑家族
私は一瞬。ドキっとして見ていた。
そしてつい、本音がポロっと出てしまった。


「私だって。あなたを息子として見ることはできないわ」

「…」


英斗君は黙ったままだった。


「でも、私には和馬さんが」

「わかっています。忘れてください。俺、どうかしていました。あなたは人妻でもあり。俺の母親の妻だ。そして血が繋がっていないとしても。俺の母親だということを。けれど、本当言うと俺は」





二人は見つめ合っていた。展開が速いかもしれないけれど。そこらへんのツッコミはやめてください。私達は出会った頃から惹かれ合っていた。でも認めたくない。認めてはいけない感情なのであった。認めてしまえば。何もかも失いそうな気がしたからだった。だから忘れてしまおう。そう。私は思っていたが。しかし後で知ることになるが。英斗は私に対してこの以前から私に淡い恋心、愛情を抱いていたのであった。もちろん英斗君もその気持ちを感情を深く理解し受け止めようとしていた。
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