【BL】No Titlexxx



顔にかかった髪を耳にかけてくれたときに、さっきと違ってひんやり冷たかった手が頬に触れた。


ルキの黒いコートはまだ俺の体にかかったままだ。


そのままの格好のまま薬局まで行ってくれたのだろうか………。


「痛い?」


「だいじょうぶ……。」


消毒液がたっぷり含まれているガーゼが頬に当てられて、冷たくてピクッと反応してしまう。


でも熱くなっていた頬には丁度良い。


「喧嘩でもしたのか?」


「…………。」


あれだけ一方的に殴られてても喧嘩って言うのだろうか。


だけど、ルキにはリンチされたなんて本当のこと言うのは悔しいから喧嘩だと言った。


「お前小させぇし細いからスゲー喧嘩弱そう。」


「うるせぇ………。」


失礼なやつ。


だけど、本当のことだからあんまり強く言い返せない。


やられたら三倍で返せよってルキね言葉はスルーする。


んなこと出来りゃ苦労しねのに……。


「でも、顔面殴ってくるとか、せっかくの可愛い顔が台無しになるよな。」


冗談っぽくルキが言うけど、俺は笑えない。


二重の目に長いまつげ。


肌も色白だし背も低い。


おまけに童顔……。


中学生になった今でもよく女に間違えられる。





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