【BL】No Titlexxx
ルキは再び俺に向き直った。
「また明日来ればいいだろーが。他の患者にまで迷惑かけんな。お前がいたって何も出来ねぇだろ。」
「でも……、」
淡々と話すルキに何も言い返せなくて、悔しくて唇を噛みしめる。
確かに俺が居ても何も出来ない。
それでも………。
「ナミの傍にいたい。」
ナミの手を離しちゃいけない。
今、離れるともう二度と逢えない気がした。
そんな考えに不安は募る。
「お願い……。」
俺は俯いて服の裾を握りしめた。
「お前…ら……うる、さ…い……から…。」
小さな声だけど確かに聞こえた力強い声。
「ナ…ミ………」
上半身を起こしたナミは呆れた表情で俺たちを見ていた。
「…………。」
ルキは俺の横を通り過ぎて、ナミの元へ駆け寄る。
俺は安心したのか膝から力が抜けて床にへたり込んだ。
「クオ」
名前を呼ばれて顔を上げれば、ナミが手招きしていた。
おぼつかない足取りながらもベットへ近づく。
「服、血付いたままじゃんか。着替えなよ…。」
確かに俺の服はナミの血がべっとり付いたままだが、黒であんまり目立たないし、俺を含め全員がそんなこと気にしてる余裕なんてなかったんだろう。
ナミに言われて思い出した。