月のかけら
からかわれているような気がして納得が
いかない」

「ダイエットするなんて、月はデリケー
トに出来てるんだな」

「そうかなぁ」

「そうだよ。太陽なんていつだって丸い
まんまだろう。明るいし、お気楽なのサ」

「まあ、そう云われればそんな気もする
ね」

可笑しな理屈に、高野はつい苦笑してし
まう」

「太ったり、痩せたり、何かと月は大変
ってことサ」

「そういうもん?」

「そいうもん」

夏於はきっぱり云い切ると、その話には
もう触れずに、歩くスピードをあげた。

急ぐ先には〜ばら園〜が見え始めている。

高野は呆れた顔のまま、夏於の後に続い
た。





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