人形達の踊り
アルーノ「娘さんが居たんですね」
プーペ「あぁ、まだ無邪気な年頃だ 迷惑をかけるかもしれんが 面倒を見てやってくれ」
アルーノ「はい、けど課長お一人で育てるなんて大変ですね」
プーペ「まぁな、でもこれは俺の責任だ。辛いなんて泣き言を言ってたら、あいつに合わせる顔がない」
アルーノ「差し支えなければ、奥さまが亡くなった理由をお聞かせ願えませんか?」
プーペ「さぁ、忘れてしまったな」
アルーノ「はぁ・・・」
要するに聞くなって事だろう
プーペ「一つ言っておくが、娘達の前でその話はするなよ」
アルーノ「言ってないんですか?」
プーペ「理由なんて知らなくてもいい事だ、現実は常に残酷だ」
アルーノ「分かりました」
プーペ「人とは弱いものだ、自分に嫌な事が起こると、それから逃げ、受け入れようとしない」
プーペ「その現実を受け入れられる事が出来る人間は強くなれる
それは分かっているんだがな、無理に悲しみは与えたくないんだ」
プーペ「この難しさが、人間の良い所であり、悪いところでもあるんだがな」
プーペ「まぁ、親バカとでも思ってくれればいい」

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