恋する背中をつかまえて


「仕方がねぇな…」



これ以上このまま美羽を
寝かせておく訳もいかない。

精算を浅野と俺とで済ませ
店から抱きかかえて出た。



「美羽を家まで送って帰るわ」

「…わかった。
今夜のところは桜井に任せる」

「…じゃあな」



誰にも見つからないように、
美羽が風邪を引かないように
車に戻らないと。



美羽は思った以上に軽かった。

ちゃんと中身入ってんの?



.


< 115 / 423 >

この作品をシェア

pagetop