恋する背中をつかまえて


今日は時間が時間だからって
家の前まで送ってくれた。


着いた時には完璧に
日付変わってたし。

親が心配して出てくるかも
って思ったけど、

意外と大丈夫だった。





「…もうすぐ交流戦だね。
また頑張ってね」

「頑張るに決まってんだろ。
ちゃんと美羽も応援しろよ?

ホームランでも何でも
打ってやるよ」

「え〜打てるの〜?」



ホームランよりは
小技を効かせる
"キーマン" みたいなのに。



「お前むかつくな。

今季初ホームランは
美羽にやるよ。

…ちゃんと見てろよ?」

「はいはい。
じゃあちゃんとホームラン
ガツンと打ってからね。

…今日は本当にありがとう。
気をつけて帰ってね」



窓から腕を出して
手をひらひらさせて
帰って行った。



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