恋する背中をつかまえて


白球が舞う角度で、

打球の飛距離が解る。




桜井さんのバットに当たった瞬間
周りの人が思わず息を飲んだ。





今、目の前飛んでいったのは?



声が渦を起こし、
悲鳴のような歓声が混じる。


それを遙かに越す、
割れんばかりのメガホンの音色。




弧を描くような
綺麗な放物線。






…入った!



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