恋する背中をつかまえて


触れられたくないはずが
ないじゃない。



首を激しく縦に振ると、
あたしの頬を桜井さんが
両の手で包み込んだ。






「…おいで、美羽」



眼を逸らさないまま
頬から手を離し、

腕を広げて見せた。





それだけでドキドキする。



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