恋する背中をつかまえて


「ちがっ…」

「そんなに否定すんなよな。

へこんじゃうじゃん。
俺は離れたくなかったのにな」



悪戯っ子な表情で、
にやりと笑うと。

あたしの髪を
くしゃくしゃと乱していく。



「臭ってても、どんな美羽でも。
俺は好きなんだけど。

…無理やり過ぎた?」



さらりと胸を
突き抜けるような言葉を、
言えちゃうとこが
またたまらなく好きなんだけど。



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