恋する背中をつかまえて
あたしの心の中で、
名前を反芻して
馴染ませようとしてるうちに、
時間が思ってるよりも
経っていたようで、
バスタブにお湯が溜まっていた。
それをちらりと見ると。
桜井さんは纏っていた
服を脱ぎ始めていた。
引き締まった肉体。
隆々とした筋肉質な身体は、
何度眼にしても惚れ惚れする。
「美羽、早く脱がないと。
俺に見つめられて
脱ぎたいのか?
俺が脱がせてやろうか?」
はっ。ヤバい。
それは勘弁してください。
そんなにジロジロと
見られたくないし。
見つめられて
いい身体でもない。
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