恋する背中をつかまえて


「あの…」



髪がふわふわしてるし、
鏡の中は自分じゃないみたい。



「どれ? 美羽出来た?!」


ひょいと覗き込みに来た
桜井さんが何も言わずに
ため息をついた。



変だった?
おかしかった?!


そのまま支払いを済ませ
無言で元来た道を戻る。


服も何もかも桜井さんが
支払ってくれたのに…。



あたしが子供だから?

大人になれないから、
綺麗になんかなれないんだ…



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