恋する背中をつかまえて
「ない頭でよぉく考えろよ?
お前に告白すんのに
四苦八苦してた俺が
慣れてるって言えるか?」
ない頭ってなによ。
どーせない頭だもん。
ようやく睨むように
眼を見れた時、
崇志の瞳が今までで
一番優しかった。
気のせいかもしれないけど。
視線が甘かった。
そもそも視線に甘いなんて
いう表現があるのか、
よくわかんないけど。
「俺には美羽だけで、
もう手がいっぱいだよ」
頭の上に崇志の頭が乗っかると
そのまま頬と頬がくっついた。
キスするより近くに。
その頬が触れられるより
嬉しかったけど。
それは崇志には言わない。
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