恋する背中をつかまえて


腕の力が緩み、崇志がそっと
バスタブから出て行った。

腰にタオルを巻いて戻ってくると
その手にはバスタオルがあった。





「あんま入ってて倒れるなよ」



捨て台詞を放って
背中が遠のいた。

気遣ってくれたんだよね?



あのまま、
抱きしめられたままでいたら、
多分湯あたりしてた。





髪を乾かしてから、
そっと部屋を覗くと、
ベッドで静かに寝息を
立てている崇志がいた。



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