恋する背中をつかまえて


「こんな小さな宝石でしか、
美羽の気持ちを護れないなんて…」






傍にいてやりたいのに。

俺が美羽を傷つけるんだな…



ぽつりと呟く崇志が愛しくて。

あたしは力いっぱい込めて
崇志を抱きしめた。






広くて逞しいはずの背中が
何だか可愛くて切なかった。



そっと崇志の髪に触れ、
頬を掌で包み込む。

確かめるように唇を寄せると
静かに離れ扉に歩み寄った。



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