恋する背中をつかまえて
「まさかぁ。
あたしに付き合って
こんな記念公園まで
付き合ってくれるなんて。
紗雪には感謝してるよ〜」
「ほんとに〜?
焦点が合ってなかったわよ」
からかいながらも
彼女なりに気遣って、
崇志の名前を出さない。
薔薇の匂いを楽しみながら、
あたしの分まで
はしゃいでくれている。
…気を遣わせてごめんね。
いつもありがと。
言葉にいつも出せなくて
ごめんね。
あたしの手を引いて
振り向いてくれる紗雪に、
心から感謝していた。
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