恋する背中をつかまえて


でも、
指輪を貰ってからの方が…

…淋しかった。



分身なんかじゃなく、
本物の崇志に触れたい。


本拠地に来ても逢えない。

野球すらテレビの画面越しに、
そっと見つめるだけだった。





「指輪貰ってからの方が、
逢いたくて逢いたくて…。

でも逢えなくて…」



ずうっと何も変わらず
薬指で輝き続けるダイヤモンド。

儚い光を放つのが苦しい。





崇志の体温に包まれたい。



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